
契約交渉の結果でベストの形とは?

バランスの取れた契約に合意することですね。
契約交渉は勝負ではない
契約交渉は勝負ではない。
契約交渉後に勝者と敗者に分かれてしまうのは、良くないとすぎやんは考えます。
一方が自らの強い取引上の立場を背景に一方的に自己の主張を押し通すという契約交渉は、最終的に勝者と敗者にくっきりと分かれてしまいます。こういう契約交渉だと、必ず敗者側に、(決して表に出しませんが)強くて深い遺恨という「感情」が残ります。
ビジネスの世界って、思う以上に感情豊かです
ビジネスの世界においても、個人間の関係と同様に、「感情」が大きくものをいうというのがすぎやんの持論です。
「ビジネスなんて「感情」なんて入り込む余地がないドライな世界でしょ。」と思われる方もおられるかもしれませんが、現実にはビジネスにおいても「感情」が支配することはしばしばあり、特に「遺恨」のような負の「感情」については、根深いものがあります。
「過去、経営危機に陥った時に、当社からの支援要請を冷たく断ったA銀行とは、健全経営に戻った今では、絶対取引しない。」
「一方的に不利な契約を押し付けたA社との取引は表向きには淡々と続けているが、水面下では早々に終了させてそれに代わる新たな取引先を探している。」
「かつて新規開発した製品の取引を持ち込んだが、玄関先で冷たく追い払われたA社に対しては、当該製品が市場人気商品となった今になってA社側から取引を申し入れられても、絶対取引しない。」
なんて例はいっぱいあります。
負の感情を残さない良い契約交渉の条件とは
良い契約交渉の条件は次のように考えています。
- 両当事者が自由に自らの意見を提案できる
- 両当事者が相手方の提案を傾聴できる
- 両当事者が平等に意見を述べることができる
- 両当事者が協力して争点について妥協点を求めることができる。
- 両当事者が交渉の着地点に腹落ちしている。
このような条件のもと契約交渉ができると、その成果物はとてもバランスのとれた契約になります。
契約交渉後、両当事者が心から納得している状態。満足している状態。
一種のすがすがしささえ感じる状態になります。
こういう状態だと、両当事者間に「負の感情」は残りません。
契約交渉の目的とは、自己に有利な契約書を締結することではなく、契約締結後に繰り広げられるビジネスが、両当事者にとってベネフィットをもたらすものにするとともに、それが安定的に長く続くようにするというところにあります。
契約交渉で遺恨が残るというのは、この契約交渉の本来の目的を見失ったことによるものではないでしょうか。

良い契約交渉をして、良いビジネス関係が継続できれば良いですね。